WildLightを使って翻訳チェックする上で、欠かせないのが対訳表作成。
対訳表によるチェックは、問題検出効果が大きいという話を、いままであちこちの講演でしてきました。ところが、対訳表作成に時間が掛かることから、なかなか踏み込めない方が多いようです。
対訳表作成に、どれくらいの時間を見積もっておけばいいのでしょうか?
WildLightを使って翻訳チェックする上で、欠かせないのが対訳表作成。
対訳表によるチェックは、問題検出効果が大きいという話を、いままであちこちの講演でしてきました。ところが、対訳表作成に時間が掛かることから、なかなか踏み込めない方が多いようです。
対訳表作成に、どれくらいの時間を見積もっておけばいいのでしょうか?
本家「翻訳横丁の裏路地」に「翻訳したら勝手に対訳表」という記事をあげましたが、原稿を変換する作業をWildLightに自動で行わせるために辞書ファイルを作成しました。
辞書名の番号(1)(2)は適用する順番を示しています。具体的な手順は以下のようになります。
どのように使うかは、以下のYouTube動画を参照してください。
各ファイルが何をやっているかは、辞書を読んで解析してください(笑)
大雑把な説明をすれば、(1)のファイルで余分な改行を削除して1パラグラフ1改行にし、各パラグラフの後ろに訳文を入力するためのマーカーとなる罫線セット(罫線上と罫線下)を追加しています。(2)のファイルは、原文パラグラフの後ろにある改行とマーカー(罫線上)をTABへ変換し、改行をすべて半角スペースに変換後、残ったマーカー(罫線下)を改行に変換して、TAB区切りテキストに変換しています。
これでお分かりいただけるとおり、訳文を入力する際に、視認性や読みやすさを確保するために訳文パラグラフの中で改行が行われても、対訳表に変換する前作業ですべて半角スペースに置換されますから、対訳表にするときに問題になりません。
この方法は、ワードで原文パラグラフの下に訳文を入力して翻訳するスタイルを多用される方には、便利かもしれません。
以前からWildLightセミナーや翻訳チェックのセミナーでお伝えしているとおり、翻訳チェックをする上で、対訳表作成で得られる効果は絶大です。翻訳チェックの精度が向上するのみならず、対訳表になったものをCSVファイルなどへ変換すれば、翻訳支援ツールの翻訳メモリーへ持ち込むことも容易となり、翻訳資産としての活用にも役立ちます。
非常に簡単な方法ですので、一度試してみることをお勧めいたします。
ひさしぶりのバージョンアップです。今回追加した機能は以下の2点です。
これらの機能は、どちらかというと翻訳会社向けの機能だと思います。(自分で使うためw)
ワードのテキストをエクセルに抜く
1の使途としては、例えば、納品仕様がエクセルへのベタ打ちとなっているが、翻訳者さんへは取り扱いやすいワード原稿で依頼したいような場合に使えます。翻訳者さんから納品されたワードの翻訳物を、エクセルに吐き出して納品物にする形になります。
この機能はメニューで「テキスト抽出」→「テキストをエクセルへ抽出」を選択すると実行されます。実行すると、テキストを抜くワードファイルを聞いてきますので、指定してください。ワードのテキストがエクセルへ抽出されます。
複数の対訳表をバッチ処理で作成
2の機能は、大量にある過去の翻訳物と原稿を対訳表にしておき、翻訳資産として活用するというような場合に役立ちます。もちろん、細かなアライメントが必要となりますが、取り敢えず、一気に対訳表にしてしまいたいという方にはお勧めです。(アライメントして保存しておけば、後からエクセルに起こし直したり、TMへ流し込んだりと再利用できます。)
バッチ処理を行うためには、対訳表にする2つのファイルを1セットにした情報を、対訳表作成リストファイルとして作成します。これは任意な名前を付けたテキストファイルで、Shift-JIS か Unicode を使用します。以下の例のように、対訳表にする2つのファイルをタブで挟んで、フルパスで記述します。
例)
C:¥Documents¥原稿.docx (tab) D:¥temp¥訳文.doc
C:¥original¥方針説明.docx (tab) F:¥Storage¥翻訳結果.docx
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そうです。ファイルの形式としては、WildLight の辞書と同じで、TABをセパレータとして使います。
対訳表作成したいファイル群をすべて記述してください。WildLight は上から順番に対訳表を作成し、対訳表作成リストファイルが保存されているフォルダーに、対訳表を保存していきます。
存在しないファイルが指定された場合は、作業は行われずにスキップし、次のファイルセットの処理へ移ります。リスト内のすべてのファイルを処理したのち、新規文書を自動作成して、作業結果を出力します。処理されなかったファイル群や、作成された対訳表のファイル名を知る事ができます。(対訳表を保存したフォルダーをエクスプローラーで自動的に開くようになっています。)
起動方法は、メニューの「対訳表機能」→「対訳表作成をバッチ処理する」を選択します。ファイル選択画面になりますので、上で作成した対訳表作成リストファイルを指定します。すると、ファイルのリストに従って、対訳表が次々と作成されます。
ダウンロードは、当ブログの「ダウンロード/インストール」タブから行えます。
原稿と訳文を比較して、訳抜けを検出する事を目的に、簡易的に対訳表を作成するおまけ機能を WildLight に盛り込んであります。但し、他ソフトウェアのように完璧なものではありません。あくまでもチェックして問題を検出する事を目的としているので、この程度のレベルでも目的十分と考えています。
表作成後のアライメント作業は、メニューの「表操作」にセルの削除・挿入・結合機能があり、それを使う方法がありますが、毎回メニュー選択するのは作業効率が良くありません。そこで、これらの機能をショートカットキーに登録して作業する事をお勧めします。
方法は、ショートカットキー登録の方法のマニュアルを作ってありますので参照して下さい。