本家「翻訳横丁の裏路地」に「翻訳したら勝手に対訳表」という記事をあげましたが、原稿を変換する作業をWildLightに自動で行わせるために辞書ファイルを作成しました。
辞書名の番号(1)(2)は適用する順番を示しています。具体的な手順は以下のようになります。
- 翻訳前の原稿に(1)のファイルを適用します。
- 変換された原稿の罫線の間に、パラグラフごとに訳文を入力していきます。
- 翻訳後の原稿に(2)の辞書を適用します。
- WildLightのメニューから「辞書管理」→「TAB区切りテキストを表にする」を選択して実行します。すると対訳表が出来上がります。
なお、このステップ4は Ver. 2.54以降では必要ありません。ステップ3で自動的に対訳表が作成されます。(特殊コマンド「Tab2Table」が有効になるため)
どのように使うかは、以下のYouTube動画を参照してください。
各ファイルが何をやっているかは、辞書を読んで解析してください(笑)
大雑把な説明をすれば、(1)のファイルで余分な改行を削除して1パラグラフ1改行にし、各パラグラフの後ろに訳文を入力するためのマーカーとなる罫線セット(罫線上と罫線下)を追加しています。(2)のファイルは、原文パラグラフの後ろにある改行とマーカー(罫線上)をTABへ変換し、改行をすべて半角スペースに変換後、残ったマーカー(罫線下)を改行に変換して、TAB区切りテキストに変換しています。
これでお分かりいただけるとおり、訳文を入力する際に、視認性や読みやすさを確保するために訳文パラグラフの中で改行が行われても、対訳表に変換する前作業ですべて半角スペースに置換されますから、対訳表にするときに問題になりません。
この方法は、ワードで原文パラグラフの下に訳文を入力して翻訳するスタイルを多用される方には、便利かもしれません。
以前からWildLightセミナーや翻訳チェックのセミナーでお伝えしているとおり、翻訳チェックをする上で、対訳表作成で得られる効果は絶大です。翻訳チェックの精度が向上するのみならず、対訳表になったものをCSVファイルなどへ変換すれば、翻訳支援ツールの翻訳メモリーへ持ち込むことも容易となり、翻訳資産としての活用にも役立ちます。
非常に簡単な方法ですので、一度試してみることをお勧めいたします。