WildLightを使って翻訳チェックする上で、欠かせないのが対訳表作成。
対訳表によるチェックは、問題検出効果が大きいという話を、いままであちこちの講演でしてきました。ところが、対訳表作成に時間が掛かることから、なかなか踏み込めない方が多いようです。
対訳表作成に、どれくらいの時間を見積もっておけばいいのでしょうか?
対訳表作成のフローは、こんな感じです。
- WildLightで対訳表を自動作成する。
- アライメントする。
表作成は機械に任せてしまえばいいので手を煩わされません。対訳表作成でもっとも時間の掛かる作業が、2のアライメントです。
このアライメント作業に要するに時間は以下の通り
- 日本語原稿 平均1,000文字/分
1文節の長さや、原稿と訳文のズレ具合により、750〜1500文字/分の間で変化します。
これは、アライメント作業に必要な機能(セルの挿入、削除、結合、分割、行の挿入、削除)をすべてテンキーにアサインした環境で実施した場合です。
個人翻訳者の取り扱う翻訳案件の分量から考えると、それほど大きな時間を必要としないことが推測できると思います。
実例として、文がポキポキ折れたエクセル原稿で文字数5万2千文字のものを対訳表にした際、アライメント作業に要した時間は、約55分でした。(文がポキポキ折れた原稿だと訳文とのズレが大きくなる傾向になり、アライメントに時間が掛かる)
これは比較的大きい案件の例だと思いますが、1万文字程度なら10分以下でアライメントできるはずです。
対訳表にすれば、その後のチェック効率が上がり、問題検出力もアップします。翻訳チェック作業全体で見ると、対訳表作成に投じた時間は無視できるものになります。